人魚脚/ああああ
じられた。
そういえば、昔のカフェーというところには足を見せることを仕事にしてる人がいたという。彼女らはマッチ売りの少女でもある。なぜならいつも長いスカートをはいていて、お客さんは彼女の足を見るために、そのスカートをまくりあげて、長い影をマッチで照らしていなければならないからだ。でもこれは人魚脚とはまったく関係ない話だ。
はじめて人魚脚の部屋に行ったとき、その部屋がずいぶん汚いので、ぼくは驚いた。
「机の上のものすてていい?」
と聞くと、人魚脚は
「いいよ」
と答えたので、ごみ袋をもらって、お菓子の袋やペットボトルなんかをどんどん入れた。それからぼくが洗い物をしていると流
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