遺伝子解読/木原東子
こととなったはずだ
しかしYの性向は叔母たちに似た大ざっぱさが本性である
ある日、Yは突然それに気づいた
いい加減で楽天的な軽薄な娘となり
病弱から脱した
Yにとって夕子は美しい母であった
「あんたの顔は、どうもぱっとしない顔だよねえ」
「あんたはお化粧したら、こんなスターより美しくなるよ」
Yは父を見た
「顎が尖っていかんな、それに眉も下がってる」
「あらそんなことありませんよ、立派な眉です,この子は」
Yにとって苦笑いするしか無いおかしな場面が多い
父はさらに折々言った
「ホントに色気の無い娘だな」
「こんな手の形だと、身体の形も
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