【連詩】空を飛ぶより楽しいこと/メチターチェリ
この、黄金の灰がそらに吸い込まれて、また降ってくる、そんな日々をてのひらにゆるやかに受け取るだけだった。
それは何度でも同じ場所に戻ってくるボールの軌道のようなものだった。あるいは初めて訪れた地に郷愁を感じてしまうような、青さを残した果実のような、なんべん唱えても消極的思考が貼りついている〈のぞみ〉という言葉のような。
で、空を探そうとおもった。飛行機がジュラルミンを光らせながら、恋人に婚約をせまる、飛行機雲を綴ったりとか、パラグライダーとか、ゆくりない水上飛行とか。僕たちの、のぞみとか、しあわせとか、そんなものの、鳴るほうに、僕たちは飛空したかったのだけど。
だけどさ、雲は流れ
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