ごあいさつ/はだいろ
がっているけれど、
ぼくはやっぱりまっぴらだと思う。
古い汚い家だと、
彼女に念を押されていたけれど、
ガラス屋さんの娘だとは、
知らなかったというか、
聞いていたのに忘れていた。
妹さんが出迎えてくれて、
おじいちゃんの家の居間みたいな、
こじんまりした部屋に案内されて、
きのう、
ネットで覚えたとおりに、
まず挨拶をして、
手みやげを渡して、
すぐに、
結婚させてくださいませんでしょうかと、
用件を済ませた。
お父さん、お母さんは、
三姉妹を育てたので、
男の子を持たなかったということだから、
ぼくの扱いもよくわからないようで、
寿司と、
お
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