HOPE/丘野 こ鳩
 

(はなれれば、交換したことさえ、忘れてしまう)

両の手で掴みとる
(つめこまれた銀杏や、胡桃や、椎の実、、)
素敵でもない幸運の木のしたに寝そべって
昼寝みたいにうかうかするから
じぶんのたましいを、体から逃がしてしまう

秋の陽射しがそそぐ光に
ひょうめんのあちこちを焼かれている
(ただれるのに晩まで気づかない)

ねえ、くらやみのバスにのって
ひとりで、たましいの去った、体を撫でうつりこんだ方々の風景をしょって
どこでだって声は がらんどうを撃って、鳴り響くねえ
わたしの声は星にぶつかり、暗黒で、爆発していました
路地に瘡蓋を落としています(これは花びら)(
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