むなしいのさこの世界は結局/青木龍一郎
 

平凡な日なたにすら風が吹かない

続く曇り空
進まない時計
時間感覚に犯された腹時計は
今日も同じ時間に空腹を知らせる


パラシュート身に着けず乗った
スカイダイビングの飛行機
仕方なく飛び降りぬまま着陸して
みんな変な感じになる


腐ったご飯がジャーの中で
腐り続ける

老人が老人ホームの中で
老い続ける

電気をつけたのに
暗いままの部屋
でも目が闇に慣れてしまっている
見つからない懐中電灯
下がったままのブレーカー
何も聞こえないこの町のこの部屋で
ベッドに横たわり
空間を見つめている


どうしても世界が晴れない
どうやっ
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