その立体はわたしたちの団地を支配していた/リンネ
 
新しい山もすぐに流れてしまった。なぜなら次から次へと彼らはおう吐したからだ。なにもかも砂場に突き刺さった立体のせいであった。あるものは怒りはじめ、立体をくりかえし殴りつづけた。あるものは聞いたこともない汚い言葉で立体をののしった。あるものは、これはわたしたちのせいだ、責められなくちゃいけないのはわたしたちのほうだ、と提案した。もっともだ、とそれに賛成する者たちが現れた。どうしたらいい、と尋ねる者もいた。わたしたちはぽんこつだ、どうしようもないじゃないか、とあるものは立体に寄りかかって泣き崩れていた。泣けばいい、泣けばいい。とわたしたちは口ぐちにののしり合った。泣けばいい、泣けばいい、といいながらわ
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