その立体はわたしたちの団地を支配していた/リンネ
ていて、奇妙にお辞儀をしたような形だった。それで彼らはぽんこつだった。
立体に囲まれた公園は人びとで溢れていた。それは子供で溢れていた。もちろん子供たちはぽんこつではなかった。公園の中には警官もいた。警官たちはみんなぽんこつだった。すべり台を流れる子供たちの笑い声のうしろから、警官たちの視線は影のようにつきまとった。ぞっとするような、腐ったものが動くような遅さで警官たちは動いていた。それで老人たちはぽんこつだった。そして警官たちのうちの、とりわけ威勢のよいひとりは、砂場にうずくまる彼らを乱暴に指さしていた。指さしてわめいていた。
「とんでもない、彼らは見えないんだ。目が見えないんだよ。てえ
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