猫について。/吉澤 未来
埋葬させている
猫
肉のない
やせた猫
家と家の隙間を
ほっつき歩き
夢と夢の隙間に
僕は君を見た
君はありったけの食を
僕らにねだって
腹いっぱいにご飯を
食べていた
でも
いつからか君は
肉のない
小さな猫
君は昼と夜を交替させて
一日の狩人になる
昼は地面にまどろんで
夜は地面にはいつくばって・・・
猫
君は夜しか知らないときがある
だから少年のときの僕には
君が見えないときがあった
猫
君は夜にしか自分を見つけられない。
だから
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