木魚屋/魚屋スイソ
主はどうやって生活していたのだ、はじめから死んでいたのではないか、と考えてから背負いなおした彼女の指を二三本噛み締め、流しの下にあった包丁だけを手に取って居間へ移動した。
仏壇の前に座し、ギターとベースを裏返しにして置いた。今度はまな板のつもりだった。彼女を仰向きに横たわらせて下腹部に包丁を突き立てる。きらきらの肉が見えた。血が水彩絵の具みたいに滑って拡がっていく。彼女の足を開いて、性器の少し上の箇所の、あたらしい穴にくちづけをした。子宮は薔薇色に震えている。
眼球を引っこ抜いた。ライチ色に発光していて、滴る液体からはいいにおいがした。二つ頬張って噛むと、網膜がやぶれてとろとろの硝子体が溢
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