テンオアラの嫁/リンネ
 
いる。鳩は口から細い管を伸ばし、それを使って穴の中を探り始める。すると中から、見たこともないほど巨大なミミズが顔を出した。ほぼ穴を埋めようかというほどの大きさである。鳩は口から伸びた管をミミズの体に差込み、食らいついた。そばにいる人たちに、このことを伝えようと、ぼくは声を出そうとしたが、その間際、ミミズは穴からなめらかに飛び出し、体に鳩を刺したまま、近くにあったスーパーマーケットの中に滑り込んでしまった。



さて、商品陳列棚は壁に沿って置かれている。その隙間から、たくさんの黒人が見える。みんなリンゴのスライスを持っていて、それをこちらへ放り投げてくる。わたしはうまくそれをキャッチして
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