テンオアラの嫁/リンネ
集合住宅に到着したのである。五階建ての最上階が自分の家だったので、さっそく階段を昇りはじめた。ところが、気づけばいつのまにかどこかの図書館にいる。私の家はどこへいってしまったのだろうか。とにかく責任者を呼ぼうと名前を叫ぶ。(その名前はもう覚えていない)図書館の住人たちがざわめき始める。館長はすでに何者かによって殺されていたからである。
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結局わたしたちは監禁されている。目のつやつやした女が鍋に入った黄色い液体にタオルを浸している。それが仲間の首元へ押し付けられる。呻く。次にわたし。体が黄色く変色していく。「おまえは自分がなぜ人を殺すのか、考えたことがあるのか」とわたしは女に聞く。「心
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