Phantasmagoria/雛鳥むく
 
で、
すなわちわたしだから、
このように
わたしはわたしを
閉ざすことができないので
円の中心に
たつのはいつも
水面の
ささめく波の
破片たち、
黙秘権、

行使しつづ
けて、


溶血する、
水音が、
火の洪水みたく、
やわらかな肉を
呑んでゆくのだった。
ときとして。







奇数、

割っていた
涸渇する
古井戸の底で



奇数、

割れていた
純度の高い
手のひらのうえで



いつしか、
誤り
ばかり
群生している。



caution、






[次のページ]
戻る   Point(8)