Phantasmagoria/雛鳥むく
 
ていたのだと

tsu、
摘んでいる
摘まれている
黒点、たち

痛みの流通を
阻むことができない
早歩きする骨は
裏返されて、
引き剥がされた肉が
わたしだとすれば
ここには
もう
心ない幽霊しかなくて、







雲ひとつない
澄んだ空のした
名の知れない花が
花々が、
ひとつ
ふたつも
いくつも
散らばって、
遺失物みたいに
甲高い声で
鳴き続けています。
という
虚偽としての虚偽、

(出身地を
間違っても
訊ねてしまわないように
そっと、)

乾ききった記号を
痛みだと誤認するのは
いつも人で、
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