Phantasmagoria/雛鳥むく
ていたのだと
tsu、
摘んでいる
摘まれている
黒点、たち
痛みの流通を
阻むことができない
早歩きする骨は
裏返されて、
引き剥がされた肉が
わたしだとすれば
ここには
もう
心ない幽霊しかなくて、
*
雲ひとつない
澄んだ空のした
名の知れない花が
花々が、
ひとつ
ふたつも
いくつも
散らばって、
遺失物みたいに
甲高い声で
鳴き続けています。
という
虚偽としての虚偽、
(出身地を
間違っても
訊ねてしまわないように
そっと、)
乾ききった記号を
痛みだと誤認するのは
いつも人で、
[次のページ]
戻る 編 削 Point(8)