そういう日常/虹村 凌
 

くらいの気持ちで最後の一口を飲み込む
質の悪い冗談みたいな詩的表現の昼食
そういう日常

眠くなる様な早さで回る世界をボタンを押して記録する
もう一度ボタンを押すとそいつは消えて行く
馬鹿馬鹿しいくらいにデジタルな感覚が染み付いている
会社の廊下は節電の為に落とされている
そういう日常

家の玄関の電球とトイレの電球は昨日切れたままで
面倒だから廊下の電気だけで足らせている
米びつは三日前から洗ってないままで
ひからびた米が張り付いている
そういう日常

未来に焦がした胸と
劣等感や焦燥感で煤けた背中に不安材料をぶら下げて
クソガキ共のゴミ箱み
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