雲にのったポポ/みつべえ
 

ポポは夢中で抱きついた。
「一体どうしてここに?」
青いヘルメットをかぶったパパがやさしく言った。たくましい手がポポの頭を撫でている。ポポはとても気持ちがよかった。
「あのね、歩道橋の上でね・・・」

ポポは、いままでの出来事をみんな話した。
「そうか、お前は夢をみているんだな」
「夢を?」
「そう、夢のなかの、唯一の回路をたどって、ここまできたんだ。だけど、夢でも会えて嬉しいよ」
パパはポポを抱いている腕に力をいれた。
「ママは元気か?」
「うん」
パパはポポの顔を見つめながら涙を流していた。ポポもパパの顔をじっと見つめ返して泣いた。
しばらくしてから、パパが言った。
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