雲にのったポポ/みつべえ
かったよ」
大の男に泣きつかれて、ポポは途方にくれてしまった。逃げだそうと男の頭をポカポカたたいた。
そこへ、また別の男があらわれ、ポポの手をとった。
「きみは、エリコさんにちがいない。ぼくの恋人のエリコさんにまちがいない」
そして、ポポを第二の男からひき離そうと引っぱった。
「母さんに、なにすんだよお!」
第二の男も負けじと、ポポのもう一方の手を引っぱった。
「やめてよっ、ちぎれちゃうよお!」
ポポが、たまらず叫んだ。
「ウチのタマをいじめるな!」
第一の男が割って入った。だがもう収拾がつかなかった。遠まきに見ていた男たちも、いろんな名前を呼びながら、次つぎに争奪戦に参加
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