雲にのったポポ/みつべえ
がみんな出てしまって・・・」
言い終わらないうちに風船はしぼんでしまった。
「ばかね。きゃあ、たいへん。きゃあ!」
ポポは、お尻から虹の上に落下した。そして丸みをおびた虹の斜面を、ものすごい速度ですべりおちて行った。
「きゃあ、きゃあ、きゃあ、きゃあーっ!」
どすん!
ポポは、また尻もちをついた。でも痛みは感じなかったし、そのことを不思議にも思わなかった。周囲の雰囲気が、その何倍も不思議なものだったからだ。
そこは虹の麓のはずだが、工事現場のような有様だった。あちこちで地面を掘っている人々。土砂を運んでいる人々。測量をしている人々。みんなヘルメットをかぶっている。
ポポは尻
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