雲にのったポポ/みつべえ
 
虹の大樹をこえた。
そこは、虹の真上だった。
虹はバームクーヘンを上から見た感じ、つまり一枚の細長い板になった。そして金の延べ棒のように輝いた。
ポポは息をのんだ。そのとき、すぐ上で声がした。
「すごいっ、きれいっ、たまらない、ってか?」

「あら、フーセンさん、あんた喋れるの」
「もちろんさ。飛行船や雲ができるのに、ぼくだけちがうわけないじゃないか。もしそうなら、著しく論理の整合性を欠く」
風船は一気にまくしたてた。興奮しているのか、赤い顔がますます赤く見える。
「ごめん。だって今まで無口だったから・・・」ポポは謝った。
「それはね、口をひらくと、からだが小さいから、中身がみ
[次のページ]
戻る   Point(4)