雲にのったポポ/みつべえ
 
赤い風船だった。雲はそこへ急接近した。
ポポは手をのばして、風船の糸を枝から外した。
「あたしのフーセン!」
そのとき突風が吹いた。「あらっ、たいへん!」
風船はポポをぶらさげたまま、雲から浮かび上がった。
「わーい、それじゃ、雲さん、バイバイ」
ポポは、片手で風船の糸をつかみ、もう片一方を雲に向かってふった。
「またな、おちゃめさん」雲が応えた。

風船とポポは雲から急速に離れた。
雲がなにか叫んでいる。
「すべてが道標。すべてが道標。すべてが道標。すべてが道標・・・」
「ドウヒョウ? どうしょう! なにがなんだか、わからないよぉ!」
風船は、ポポをぶら下げたまま、虹の
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