雲にのったポポ/みつべえ
 
はげしく言い返したので、雲はまた失敗したのに気づいた。そして、あわてて言い直した。
「そ、そうとも。きみがそう思うなら、そのとおり。きみのパパは、あの虹の下にいる」

「えっ!」
ポポが顔を上げると、巨大な虹が眼前にせまっていた。
「いつの間に、こんな近くまで・・・」
ポポは絶句した。
「あの虹の大樹をこえると終着だ!」
見ると、バカでっかくて途方もなく高い樹木が、虹を覆いかくさんばかりにあらわれた。
「なに、あれ? それに終着って?」

「いまにわかるよ。それよりも今は樹の上を見て!」
「あっ、フーセン!」
それはたしかに、ポポが歩道橋の上で見失い、雲に追跡を命じた赤い
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