ユートピア/うさぎのようにあなたは/茶殻
の、音とか風とか煙とか
売約済みのそいつらを捕まえに行こうよ
ロード・ムービーばかり飽きず見ている、すべてのことばが何かの始まりのように
背骨を撫ぜる。本当に、本当に殴られたいと思ったこともあるけれど、躾もろくに
受けなかった僕としては具体的な拳骨の痛みもよくわからない、というか知らない。
撫でていれば愛、というほど安いものでもないんだろうね、生き物は逃げた、愛玩
用の動物達がいっぺんに放たれたら、街は酷い臭いだ、酷い喚声だ、酷い酩酊だ、
そうすれば僕らが旅に出る理由が出来る。わかりきってる、痛いのなんていやだ。
けれど痛覚は大事にとっておきたい、それも酷いわがままかもしれない
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