小豆粥/藤鈴呼
先を運ぶ直前の動作と
全く一緒だ
駐車場の手前には ゴミ捨て場が有る
ここに居た鴉の足先は フィットしない
大きな三角形は
翼をも 思わせる
君は 失格
大きな赤いバッテンマークが
頭の中で つけられる
其れでも 嘴は 黒いまんま
今朝 ゴミを捨てようと
玄関を飛び出したら
黒っぽい 小さな鳥が 目の前に居た
思わず足元を見る
「合格! 君だ。」
撮影しようとすると
ひらりと僕を飛び越えて
欄干に飛び乗った
まるで あの選手の ゴールシーンみたいだ
ひらり ゆらり 美しいフォルム
撮影を諦めて ハンドルを握る私の目の前に
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