正月の街の幻想/番田
かまったく1秒先の想像がつかない。それは新しい土地を訪れることに似て心を躊躇させられる。古くから聴き慣れている曲をぼんやり聴いていた方が楽しいものだ。そういった思想はやはり私が昔よりも歳を取ったから感じるのかもしれない。と同時に色々なメディアなどに飽きさせられた心が部屋の中に渦巻いている。些細なことに価値を感じさせられていたころが、何となく懐かしい。しかしそんな頃自体はあったのだろうか。物心ついたころから私のまわりには人や物が溢れていたものだ。同世代の人もそんな感覚で生きてきたのだ。私はアメリカに行ったことがあるけれど、生まれ育った場所によって人の感覚は違った風に変わるものである。言語の生成の仕方
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