ギソク 孔雀転生の章/ハイドパーク
そんな時とても不幸なことだが
ピュアだった俺は彼女と出合い
完膚なきまでに奈落に突き落とされた
その後は
ばばあ自らも
転がり落ちるように
風俗の奈落に沈みこみ
風俗でしか働けないから
風俗が楽だから
風俗が好きだから
生きるために
生きるために
プライドをかなぐり捨てたのだろう
ああ哀れなばばあ
そして
なんて哀れなこの俺
彼女は下垂した瞼の下から
ぼろぼろと涙を流し
こう言った
「アンさん堪忍やで、うちがあんなこと言わなんだら、
こんな身体に、う、」
ばばあ
気付いていたのか
もう良いんだ
みなまで言うな
おしゃぶりな口をK
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