酔歌 - 1 / ****'04/小野 一縷
れては 消える
一羽 脳裏に輝く伝書鳩が ずっとずっと滑空してゆく
巡る季節風に逆らって ずっと遠く
針のように 時の流れを 貫いてゆく
さて
次は いつ頃の思い出だろう・・
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そうやって ずっと過去へ向けて 先走ってきたんだ
誰もいない いられない 真白の砂の平原
ずっと 彷徨って ここへ来たんだ
真白な空白の全景に遠ざかる透明な空の真下で いつも
そしてここから
ああ
それは 何度目の「此処から」だ?
まだ飽き足りないのか ぼくは
「旅立ち」 その出発点を 繰り返し刻むことに
出発は やがて 出発へ辿り付く 回帰だ
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