残照 / ****'98 '01改編/小野 一縷
 
ゆく

これは
罪悪感か?
あといくつ 「ぼく」が残っているというのか
あといくつ 「ぼく」を放棄すればいいのか


何処までいけばいい?
一体
ここに 誰が残るんだ?
ここに 何が残るんだ?
何を残したいっていうんだ?


「何も残すつもりは無い」
これは ただの現象だ
炎の後には煙と燃え屑  やがて風に吹かれて散ってゆく
「つもり」という 残りかすも



消えてゆく


雲が明日へ向けて その身を焦がす頃
一体 何へ向けてなのか
ぼくという現象が ここに まだ続いていた 

これは覚めない夢か
誰も来なくなった この部屋に 君
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