残照 / ****'98 '01改編/小野 一縷
 
もうじき忘れる
やはり仮だ これも それも あれも
湧いては 消えてゆくものを もう 恐れなくていいんだ


盲目
光が    光が 小さくなってゆく
あなたの痛みを  その悲しさを
あなたの思いを  その優しさを
見失ってしまいそうだ 
忘却 
消去されてゆくみたいだ
失明 失意 
闇が じっとりと 沁みこんでくる

もう一度 昇って 昇りつめて  
仮初でいい 光を手にしなければ
ぼくはまた 最初に自分を そして順に
全てを みんな 全部 全てを
壊してしまいたくなる

ごみと猫の小便臭さが充満する床
ずたぼろベットカバーの しみったれ

架線
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