残照 / ****'98 '01改編/小野 一縷
 
いけないのか
なぜ自分らしさとか 個性とか そんものに こだわるのか
自身は ただの移ろいの連続 出来事はただの時間の経過

音楽は終わって 日々の音が 再生される
少なからず 明日のことを 思ってみる
そこから立ち返って 今という今日を思ってみる

俺の中に隠した ぼくを 俺は出し方を知らない
俺は 薄汚れた上着と 愛想笑いの中にいる
馴れ合いから殺意を抽出すると
そこにいくつかの ぼくの成分
主成分の隠し場所は 俺の中にない
たしか
君の中に一つ  きみの中に一つ  そこら中に一つ 二つ
あとは忘れた
これを健忘症というのだろう
だから これも ここも もう
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