降り立つ / ****'03/小野 一縷
 

呆れるほど 素適に 星が
弾ける
焼ける
裂ける 
カビ臭い ここ 雑居ビルの サッシとガラスの隙間で

まだ 行くなら
搾り出せ 最後の一滴
重圧な 生まれたての 血まみれの
赤ん坊が 孕んでる圧力を

血管を
ぶち抜けて 息切らす
荒い 呼吸で 胸焦がす
走り出したら
熱くなる 肺が
綺麗な 斜めのラインで
斜めのラインで 汚してゆくんだ
真白を 断続的に
真黒に 酔っ払った 羽ばたきで
犯していくんだ 自慰で 慈愛を 
蝕んでいくんだ 自意識で 願望を 
平衡をとる精神の 延命のタクトは
静脈で受け止めろ 指揮棒の
その尖端は 正確無比の 
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