天使の遠足/山田せばすちゃん
女ノゴ機嫌ナンテスグニ直ルサ」
・・・ときおりは悪魔だって通っていくものらしい
枕もとのスイッチパネルを触っているうちに
部屋は深海のような青一色に染まってしまう
ブラックライトに光る君の白いブラウス
いっそこのまま二人の上に
マリンスノウでも降ってくれればいい
言葉が出ないのは水圧のせいだなんて
そんな言い訳だってできるかもしれないじゃないか
青白く光る君の背中と
有線のボリュームを下げようとしている
僕の間の深海を
ほら
天使が団体で通り過ぎていく
天使が通る
じゅうにんめの天使は引率の先生で
八人の天使と一人の悪魔が通り過ぎたのを確認した後で
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