チワワみたいに小さくて/(罧原堤)
で我慢してからでいい。メダカが泳ぐ入り江みたいなとこまで降りていき、「俺がダメなやつだから」と何度も呟いていた。
風がビュウビュウ吹きこんできて、もうきつい、しゃがみこんでしまい、どうしていいかわからないまま、
(とにかく、酒でも買いに行くか、そろそろ)と、思い、腰を上げかけたときだった。真横に狂犬がいた。大きな口をあけて、もはやそれは犬ではなかった。霊魂、いやマンガ、アニメ、そんな感じだ。目が顔の割合に反してでかく、顔から飛び出てつりあがっていて、頬はこけていてムンクの『叫び』のようだった。目は白く輝き、顔面は青白い光を発していた。最初、噛みついてくるかと恐怖した。だけども、その犬は僕に擦
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