青木龍一郎が動物園にやってきた/青木龍一郎
 
んですか!?どうするんですか、栄養失調で僕ぶっ倒れちゃいますよ!」

園長は山本さんの耳元で小さな声で
「それはそれで面白いよね…」とつぶやいた。
山本さんは下を向いて「ンフフ…」と笑った。

僕は悲しくなった。




やがて、園長と山本さんは去り、僕は一人檻の中に残された。
当たりは暗くなってしまった。
僕はコンクリートの地面に腰を下ろし、檻の隙間から星を眺めた。
動物園ですごす初めての夜だった。

「他の動物たちもこの星を眺めているのかな…」

そうつぶやくと涙が溢れた。
ここの動物たちはみんな僕と同じ境遇だ。
いや、僕はまだマシな方かもしれない。

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