gate/mizunomadoka
 
どういう意味が?」とアサシンギルドの長は尋ねる。
歴史と同じだけ生きてきた扉の番人は立ち止まり応える。
「持っていたものを失うこと、それだけだろう」そして彼女の部屋を出ていく。

カジノで男は自分の命を賭けると言う。
お前の命になど価値はないとディーラーはカードを配り始める。
わざと負けてくれるつもりなのだと女は思う。
けれど男は勝負を落とし銃を突きつけられる。
男は膝をついて目を閉じる。どちらでもよかったのだ。
女の姿はない。床に涙が落ちている。

牧場で牛たちを囲いに追い立てながら、年老いた女は銃声を聞く。
空を見上げて息子の無事を祈る。

本は閉じても開いても、そ
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