gate/mizunomadoka
始める。
だからあなたも雪の日にはちゃんとチェーンを巻いた方が良いですよ!
若者たちは嵐のように去っていき、
散らかったままのテーブルと床を店のおじさんが掃除している
老婦人は? と見れば、
いつのまにか彼女はワインを注文している。しかもボトルで。
目が合ってしまい、ぎこちなく微笑む
けれど無視される。
ノルウェーのような上着を着たお父さんが
カウンターの端につっぷして眠ってる。
母親みたいなハンドバッグを肩から提げて、
ピンクのジャケットを着た女の子が、足下でお絵かきをしながら、
ときどき父親を見上げて、何か話しかけてる。
「貴方にとって自身の死にはどう
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