(追悼文)石原大介さん?『だんすがすんだ』を傍らにして/バンブーブンバ
 


三分でラーメン喰って破滅してドンブリもろとも叩き割る街

ひだまりの 庭でコップが ゲップした ぼくは静かに それを見ていた


「コップが」「ゲップした」を接続させることで生まれるパンクな図像。しかしそれは、ひだまりの庭で起きてしまった「歪」に置き換えられている。そこに、そこはかとなく私たちの限界状況を、ここではまぎれもない「死」で代表されてしまうような、知覚の外の世界への扉を見つけてしまいます。なのに、語り手は、「静かに」それを見ている。うらぶれた思いを重ねたドンブリの街を叩き割るロックな気概は、尚のこと、こうした静心を強調します。最期のくだり「だんすがすんだ」は、
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