魚座の裏切り者の歌 / ****'04/小野 一縷
その濃密で緻密 鋭い旋律
音で綴られる詩を 羽音が切り刻む
侵されるように 言葉の連なりは
歪な緩急を その規則性から発する
本来の意味合いに 刷り込まれる
それも 寒い夜 冬に生まれた
この黒い詩の 仕掛けの一つだ
寒い土地に掲げられた旗
夜鳥の金切り声に靡き 幾筋にも裂ける
その波打つ帯に沿って 黒いカンバスに
雷光が零したサイン 幾つもの声
ずっと深く 真黒の土の中に 輝く幾千の
鋭利な霜と散らばって 凍み込んで
言葉の回転軸 様々な角度で 叫び刺さり 詩句を切る
黒い空は 深々と 黒いまま
星々を 針の雨と零している
今
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