辿り着きたい/高梁サトル
 

使い古されたあらゆる言葉で綴ってゆく
愛を練習する日々は
母の体温のように気だるくて
起き抜けのミルクティーのように甘い

そんなものにずっと囲まれていれば
当たり前のように怠惰を覚えていくのかな

私たちは私たちの ルーツを探しに行きたい



熱い真水を飲み込むたびに溢れる 水瓶を覗き込めば
少年の歓声と少女の讃歌が
濁流のように渦巻いていて 目眩がする
体ほどに澄んでいられない
心が疑問を感じることさえしなくなるくらい
私 清らかになれたらいいのに



1オクターブ上がるごとに薄くなってゆく
酸素を深く取り込んで
鳩尾を膨らませるときに紅
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