こどくのあし/白砂ユキ
 
は灼熱、
巻いて、つがいの拍も閑古
しずかな光沢を
耄碌を翡翠にかえてから
まつわりつく枝
瓶にすべり落として
おごそくも睫毛が
障るように
舌の乾きは粗目
わたしの犬を引き連れ
襞に指をさしこむあなたと
走り方の唱えたさを手折って
あなたとのもない
わたしでさえもない
死罪


ひまわりが積雪する
くぼんだ骨々のあいだを
葉脈のような足取りで
抜けていく
真昼はまだ
手の甲が冷たい
わたしは折られた首で
弓を落とす彼女
甘たるい頸と
縁取りを運ぶ口のしたの明かりはない
あなたが掛けた弧だけを
やさしくつぶすような
しろく頬摺りしている像が
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