こどくのあし/白砂ユキ
 
像が
、である
、でした


電車をのりかえる
余れだす時刻の
わたしでなくなった石像と
ふくれた眉が
押し破りだす身体を
豪語に鈍くしずんで
さっき分かたれたの、と
あなたが転がした
道路の淡いなつめと雲
良好です
朧にした乗の列も
手を凝固する手をすれて
沙上した名前の、
真昼のようなにぶみと
あかるい色
名前を編んだからいてくれて
ここを歩くのにね
目のなかの百合が
止められるほど
くずれ落ちて
紫色の鮮やかなあなたと
ひとりきりに
反復した口づけが
足の中から這いずり出ていく
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