クロスワールドパズル/チャオ
 
棄すればそれはすでに、人としての意味さえも放棄することと同意義なのだと。僕がやれる範囲でその答の深さを示すことが出来たとき、それに気がついた誰かは、もっと深みにいける可能性を持つことが出来る。それだけのために、僕は答をさがさなければいけない。と。
友人はそれは、ニーチェが言ってるといった。僕は、ニーチェを読んで泣いた。真の敗北は勝利と同じ意味を持っているのだ。僕は、誰かの踏み台にされることによって、ひとつの世界をになうことが出来る。それは、「永遠回帰説」であり、中原中也の「蛙声」であった。

僕は、かえるのように、空にかき消されるだけの声を張り上げるのだ。だが、そうすることで、かえるの声は夜
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