クロスワールドパズル/チャオ
は夜を修飾することが出来る。、いや、そうしなければ、修飾など出来ないのだ。
そして、その声を聞いた誰かが何かをふと思うだろう。それが運命なのだ。
僕の父は僕の母と出会い僕が生まれた。僕は、父と母の運命の結晶体であり、彼らと常に重なり合い、また僕独自の運命を享受し、僕の世界を作り上げていく。
世界は重なり合っている。重なり合ったもの同士が意味を授けられる。
僕の右手には誰かの意志がにじんでいる。僕の髪の毛にも、僕の皮膚にも。僕は、所詮僕ではない誰かの集合体に過ぎず、誰かの集合体であるからこそ、誰にも僕の形をつくることが出来ず、そして僕は、僕と言う今を作り出すのだ。
すべての言葉は引用で、すべての行為は模倣に過ぎない。僕は、その中で、何とか僕のオリジナルを作り出そうとする。その行為だけが、僕のオリジナルであるのだ。
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