銀杏/月乃助
 
銀杏のような
形ばかりは純真な 黄色に色づく
乙女の髪をしたものたちの その音さえもわずらわしい
だから、それを並べ替えたりせずとも
もっとこなごなに くだいてしまって
生まれたままのように
嬰児の泣き声のように
話してくれたら

いつもと変わらぬ、
紅茶は、ミルクを先にいれておくれ も
秋が終わったら街も、クリスマスだね、も
来年のダイアリーを買わないといけない も
日常を口にしたところで、
心の奥に眠っている想いを隠していては、
どれもあたしには届かない/響かない

    ―◆―

言葉には、もたらされる質量があるのですから
それを心にとどめるほどの重
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