私は今日寝坊した、私は昨日死亡した。/ひとなつ
重くのしかかった、
「ごめん、ごめんよ…許してくれ、許してくれ…」
私は無心でそう繰り返した。
頭が空っぽで何も考えられない
足が突然震えだし、力が入らなくなるのを感じた。
私はどうすることも出来ず、逃げるようにエレベーターに乗り込んだ。
11階の屋上から8、7、6、5とエレベーターは下っていった。
そして4階がバーだ。
「落ち着け、落ち着け、とりあえず警察に連絡だ。」
エレベーターの中で何度も唱えた。
実際エレベーターを出るそのときまでそうするつもりだった。
しかし
私はここで今まで生きてきた中で最も不可思議な光景を目の当たりにするのである
[次のページ]
戻る 編 削 Point(1)