私は今日寝坊した、私は昨日死亡した。/ひとなつ
 
ある。

またしても私はどうすることも出来ずに立ち竦むことになった。

バーを覗くと

そこには

黒いスカートの女が

あの黒いスカートの女が

いつもと同じ無表情でカウンターに佇んでいたのだ。

何事も無かったかのように…

黒いスカート…

黒いスカートの女…

いままで気にしたことも無かったことだが

女が上に着ていたブラウスは

血をぶちまけたように真っ赤だった。


尾崎豊は言った。

「どうしたんだ?中川さん…顔色悪いよ。」


私の眠れない日々は始まった…



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