アラスカ5〜大自然の息吹〜/鈴木もとこ
 
真を撮り感嘆の声を上げている。私は心のシャッターを押した。カシャ。
 しばらく行くとまたバスはゆっくりになり、今度は止まった。大きな野生のグリズリー
がのんびりバスのすぐ横を歩いている。その大きさと筋肉の力強さにみとれるほどだ。
バスはしばらく走っては止まるを繰り返し、野生動物の日常を見せてくれる。クマが茂み
を歩いていたり、丸くて小さなライチョウがメス1羽にオス2羽で夏の恋を展開していた
り、カリブーの母親と子供がタイガの森に隠れながら草を食べていたりした。
熊が悠々と歩くほんの数メートル先に、2人のキャンパーが荷物を背負って歩いている。
どうやらお互いに避けあっているのだろう。ど
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