ゆうれいのダイアリー/コーリャ
 
げる煙突
ひとびとの足音に踏み荒らされた
ゆうれいの置手紙をみつけた
裂かれた断片をさがすが
たぶん火葬されていっている
尖塔の鐘が鳴って
灰がきらきら舞っている
サイレント


/7月22日

呪いはふとした光の加減で
祈りみたいなかおになる
世界じゅうの美声が音読する詩を
蒐集したレコード屋にいきたい


/7月15日

いやな夢からめがさめると
コップにこぷこぷとそそがれた
北極海に
夜通し溺れていたことに気づく
それでもまだ水死できていないのは
じぶんが幽霊だからだ
もしくは魚類だからだ
どちらにしても無慈悲である


/67月2
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