自殺者の山と来るべき世紀/ふくだわらまんじゅうろう
 
となのか?
ひとには
ひとという生き物には
道路に飛び出さなければならないときとばあいもあるのでないか?
走り抜けて
走り抜けて
その壁を突き抜けた「あいつ」は
命の壁を突き抜けて生まれ出たそのときと同じ
感動と
達成と
意義のさなかに
輝いてさえいたのでないか?

そうしてそんな昼と夜をいくつも越えて
「ぼくら」はどこへ向かっているのか
俺の尿道から飛び出ようと身構えている命たちは
この歪んだ世の中に泳ぎ出るだけの覚悟があるのか?
その命たちを受け入れようとする肉体たちは
それら無謀な命たちを守りきろうという鼻息を持つのか?
走り抜く走りと
道路に飛び出
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