さみしがり屋のオニ姫/ヨルノテガム
 







 密やかな夜に

 闇明かり  ぼんやりに浮かぶ

 眠る女の細足を

 そっと撫でた



 まるで性器を生ける白磁の質肌

 たまらず、頬鼻をそろりと添わせてゆくと

 タマネギの匂いがして 目を疑った

 どうしたことか 足首の片方に
 オニオンリングがぴったり はまっているではないかっ!

 まじまじと眼を開くままに
 うっすら、特有の涙を漏らしてしまいそうで

 なんと それは新鮮なのだ!った



 どうやってほとんど隙間なく足首に通したことか

 わたしは闇間に少し狂いそうな顔模様をしていたに相違ない
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