原風景/影山影司
危険な生き物だと認識したのである。
あらかじめ断っておくが、そもそも当時の小生に、奴らを食おうだとか、乳をもんでやろうなどと邪な考えは無かったと断言しよう。
朝、目覚めたらご飯を食べて学校へ行くのと同じように、白くて黒くて糞を垂れる生き物はそこにいるのだと考えていた。
時折、牛舎の近くを通ることがある度に小生は奴らを観察していた。
漫画や、テレビで見る奴らと違って実物はムキムキである。アメリカのコミックに出てきたら、ウルヴァリン、と呼ばれるんじゃないかと思うほどにムキムキである。小生は、奴らの、特にケツ部分の筋肉が恐ろしく盛り上がっていることを発見した。
あのケツ
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